移り変わってゆく鉄のまち北九州と共和工業所

移り変わってゆく鉄のまち北九州と共和工業所

70年もの間育まれた職人魂

北九州と言えば、やはり明治時代から日本の鉄鋼産業を支えてきた八幡製鉄所の存在が大きいだろう。製鉄・製鋼、造船、石炭などの重工業分野において、世界に恥じない働きを行ったその功績は大きく、2015年にはユネスコ世界遺産委員会において、世界文化遺産に登録が決定された。そんな八幡製鉄所とともに、1948年に共和工業所は誕生した。

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新しい時代となっていく

1901年に操業開始した官営八幡製鉄所は、ついに工場休止に踏み切った。福岡県内の高炉はすべて閉鎖し、大分県に集約される見込みだ。また2018年には、八幡製鉄所と入れ替わるようにして開園されたテーマパークであるスペースワールドも閉園。賑わいを見せていた鉄の街を象徴する建物は次々と取り壊されていった。これも時代の波だ。

1990年代後半までは地域経済に占める製造業の割合が大きかったが、2000年代にはサービス業が製造業に対して軍配を上げた。鉄の街北九州はなりを潜め、これからは鉄鋼業を中心とする第2次産業から、サービス中心の第3次産業への移行が進んでいった。もちろん、共和工業所の周りにあった鉄工所や自動車部品工場、金属加工会社などの同業も次々と暖簾を下ろした。鉄鋼産業衰退の勢いは止まらない。

それを裏付けるように、1995年(平成7年)3月にグランドオープンした門司港レトロは、国内外での観光客の誘致に成功している。また直近では、2022年4月28日にはスペースワールド跡地にTHE OUTLETS KITAKYUSHUがグランドオープンとなった。

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時代の移り変わりにもめげない

しかし、そんな流れにも共和工業所は負けない。

「小ロット・多品種・高品質」を掲げてきた職人魂はそのままに、時代のニーズに応えられるよう、3Dスキャナ型三次元測定機・5軸加工などができるマシニングセンタなどを導入。最新の機器を取り入れることで、より省力化・高品質化を実現した。たとえ仕事道具が変わろうとも「鉄の街」時代からの魂と技術は変わらない。令和の現代にも「職人の技術」は受け継がれているのだ。

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