マシニングセンタとは

複雑な加工も全て自動!マシニングセンタの仕組み

マシニングセンタとは

近年、製造現場における需要が高まっている産業用ロボット。その中でも、マシニングセンタは加工物の削りや穴あけなどを工具の交換なしで自動で行うことが可能な工作機械です。マシニングセンタの導入は作業効率の改善や人件費の削減など、多くのメリットが見込まれています。今回は、マシニングセンタとはどういった機械なのか、その種類や特徴、導入するメリットをご紹介します。

共和工業所,北九州,マシニングセンタ

マシニングセンタとは?自動で工具を交換できる機能が特徴

JIS(日本工業規格)によると、マシニングセンタは「工作物の取り付け替えなしに、多種類の加工を行うNC工作機械。機械の構造によって主軸が水平の横型マシニング、垂直の立型マシニング、門型構造の門型マシニングなどがある」ものと定義されています。NC工作機械とはつまり、コンピュータで数値を入力して制御して加工する機械のことです。工具の付け替えを行わず、最初に加工する数値を装置に入力しておけば、自動で中ぐりからフライス削り、穴あけ、ねじ立て、リーマ仕上げまで、様々な種類の加工を連続して行えるという点が特徴です。

共和工業所,北九州,マシニングセンタ

マシニングセンタを導入するメリット

マシニングセンタの導入は、同じ加工を手動で行う場合に比べて、大きく3つのメリットがあります。

機械制御による安全性の高さ

厚生労働省の労働災害統計によると、製造業の死亡災害の発生件数はトップの建設業に次いで2番目に多くなっています。マシニングセンタに搭載されている機能によって、自動で工具が入れ替えられるため、人が刃物に触れることが大きく減り、作業者の安全性向上に繋がります。

数値制御による精度の高さ

手動による加工は操作ミスによる不具合や経験不足などで、寸法や面の状態にバラつきが生じてしまう可能性があります。マシニングセンタが自動で加工し作業することで、精度が高く高い品質の制作物の生産が可能です。

教育コストや人件費を削減

マシニングセンタは使用方法さえ学べば、あとの加工は機械が自動で行ってくれます。そのため、手動での工具の取り扱い方や技術教育などに掛かるコストが減り、さらには人員削減や作業時間の削減にも繋がります。

共和工業所,北九州,マシニングセンタ

マシニングセンタの種類と特徴

用途によっていくつか種類のあるマシニングセンタですが、その中でも「横型マシニングセンタ」と「立型マシニングセンタ」の2種類が代表的な装置です。
このほかにも「門型マシニングセンタ」と「5軸制御マシニングセンタ」という種類もあります。それぞれのマシニングセンタの特徴について紹介します。

加工精度と大量生産を求めるなら
横型マシニングセンタ

地面に対して工具を水平方向に取り付けるのが、横型マシニングセンタです。X軸、Y軸、Z軸方向の3軸で稼働するので、立体的な加工も得意です。横型マシニングセンタは、パレットチェンジャーという自動で部品の輸送作業を行う装備があるのが特徴です。部品供給を自動化することで、手動で行っていた供給作業を省略でき、長時間の連続稼働が可能になります。しかし、横型マシニングセンタは材料を横から固定するため、重たい材料の加工に向かないというデメリットもあります。材料が重すぎると、固定した時に主軸が乱れたり、たわんだりする可能性が出てしまいます。横型マシニングセンタに向いた加工物としては、高い加工精度が必要で軽量な精密小物部品などがあります。

多品種少量生産に向いている
立型マシニングセンタ

立形マシニングセンタは工具を垂直方向に取り付けて加工する種類の機械です。固定した材料を縦に削っていくので、上から切削している状況を見ることができます。このため機械の動きを理解しやすいという利点があります。1面あたりの加工箇所が多い金型などの部品を多品種で少量生産することが得意です。立形マシニングセンタのデメリットとしては、パレットチェンジャーの取り付けが難しいため、稼働時間が横型マシニングセンタよりも短くなってしまう点があります。また、縦方向に削っていくので削りカスが排出されずらく、工具や刃先が細かく欠けてしまう可能性もあります。そういった対策も取らなければいけないため、大量生産にはあまり向かないでしょう。立型マシニングセンタは機械が縦に積み上がるような構造で作られているため、横型マシニングセンタと比べると床の専有面積が小さく、導入しやすい点もメリットといえます。昨今のマシニングセンタ市場では最も多く出回っている種類でもあります。

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